【レビュー】「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」を読みました!マーケティングの基本がわかる本

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マーケティングってよく聞くけど実際には何をするの?

マーケティングの考えを知ると何が良くなるの?

今の自分の仕事には関係ないのでは?

今でこそ大成功を収めているテーマパーク、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)ですが、一時期は経営危機に落ち込んでいました。

USJはなぜ復活し、大成功を収めることができたのか?

その秘密は、USJが「マーケティング」を重視する企業になったことに集約されます。

この本は、USJでCMO(マーケティング最高責任者)を務められている「森岡毅」さんが執筆したもので、USJのV字回復を例に、ビジネスで成功したい全ての人に向けて書かれています。

「マーケティングについて少しでも知ってみたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

なぜこの本を読んだのか

今の仕事に対して不満を覚えていた時期に、別業界への転職を考えていました。

ただ、業界選びの段階で、自分が何に対して興味を持つのか自分でもよくわからなかったため、書店に行って本棚を流し見し、目に留まったのがこの本でした。

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もともとUSJが好きなのと、マーケティングはどんな仕事にも活きるだろうと、なんとなく認識していたことから、タイトルに惹かれこの本を手に取りました。

この本を読んで面白いと思った3つのこと。

1.USJをV字回復させた3つの要因

まずはもちろんこれ。

会社の進むべき方向を見極める頭脳としての存在である「マーケター」の最初にすべき役割は、「どう戦うか」ではなく「どこで戦うか」を正しく見極めることだと著者は述べています。

本書で述べられている、USJのV字回復に繋がった3つの着眼点を簡単に示します。

(1)ターゲット客層の幅

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「映画のファンだけのパーク」という作り手側のこだわりのせいで、客層の幅を縮めている
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USJというブランドを「映画の専門店」から「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」へと脱皮させる
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客層の地域的な課題を解消

関東から「3万円の川」、海外から「30万円の海」を渡らせるた強さを持つものとして、ハリー・ポッターの新エリアに1点集中して巨額の予算を投じる。

(2)TVCMの質

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当時のUSJのTVCMは、消費者がUSJに来場する本質的な理由を強く捉えられていない
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「世界最高を、お届けしたい。」という新ブランドの立ち上げと継続

(3)チケット価格の値上げ

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大人5800円(当時)というチケット価格はあまりにも安すぎた

日本のテーマパークの品質は世界で1番高いにも関わらず、入場料だけが世界で1番安いのはおかしい。

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USJがこの2016年までに2割もの大幅な値上げをして業界価格の天井を引き上げた

マーケターにとって、価格は売上を左右するだけでなく、顧客からブランドへの評価そのものになるため、どの値にもっていくかは非常に重要

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さらに値上げを断行し、現在(2023年)は9800円までになった

2.「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のマーケティング戦略

マーケティング・フレームワークのWHO、WHAT、HOWが上手く掛け合わさった時、爆発的なビジネスの成功が生まれる。

「マーケティング・フレームワーク」のフレームワークとは、何かを考えるときの基本となる頭の使い方の型のことです。マーケティングの課題に取り組むにあたって、その型に沿って考えていくと「整合性のある戦略と戦術」を生み出しやすくなる便利な道具だと考えて下さい。

目的:OBJECTIVE(達成すべき目的は何か?)

目標:WHO(誰に売るのか?)

戦略:WHAT(何を売るのか?)

戦術:HOW(どうやって売るのか?)

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

その圧倒的な事例として、USJの「ハロウィーン・イベント」が紹介されています。

前提:2014年の開業を目指していたハリー・ポッターの新エリアの設立に、ほぼ全ての資金を集中していたため、2011年は開園10周年にも関わらず、設備投資費を使わずに劇的に集客を増やすアイデアが求められた。

著者は「ハロウィーン」に着眼しました。

WHO:若い女性

9月から10月にかけては試験が終わる大学生が多く、若い女性を中心にレジャー需要が高まることから、著者は独身女性をコアターゲットにしました。

WHAT:思い切り叫んでストレス発散できる!

日本の女性は(例えば米国の女性に比べて)ずっとストレスが溜まりやすい社会環境に置かれているのに、安心してストレスを発散できる手段に恵まれていないという事情の発見によるものでした。

社会的かつ文化的に周囲に気を遣ってばかりいる彼女たちが、素の自分をさらけ出して、思い切り叫んだり、大声で泣いたり笑ったりできる場。

著者は、消費者理解に多大な時間と精神力を費やしていたため、そんな場所を提供出来たら彼女達が喜んでくれるのはわかりきっていました。

HOW:「人(ゾンビ)」こそ最強のアトラクション

著者は、米国滞在時に本場アメリカのハロウィーンを体験していたため、「日本人女性も無礼講でダークなものを楽しんでも良い企画にすればどうだろう?」と考えました。

そこで、設備投資費のかからないゾンビを何百人と雇って、パーク中に解き放とう!と考えました。

結果は大成功。目的のプラス14万人の追加集客効果を軽くぶち抜き、実にプラス40万人以上をわずか約2か月の間に達成しました。

3.会社と結婚してはいけない

本著では著者がマーケターを志した経緯についても述べられています。

著者は就職活動の際に、金融、総合商社、メーカーなどの業界の有力候補をいくつも見て回り、20代・30代という最も貴重な時間を費やすことで、その会社ではどんなことを学べてどんな経験を積めるかを必死に考えました。

そんなことを必死に考えながら、以下の3つに気が付きました。

・「職能」を選べない日本企業が多い。

・日本企業の多くは、能力を縦に伸ばさず、年功序列でキャリアの進度も遅い。

・間違いなく終身雇用制は崩壊するだろう

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

著者はこのとき「これからの時代は、会社と結婚してはいけない」と気がつきました。

生き残るために企業は、年功序列も終身雇用も崩して人事コストの最適化を図り、企業に必要なスキル(職能)のみに値札がつく時代がやってくるはずだ・・と。

そう考えたときに著者は「できるだけ早く需要の高いスキルを身に付ける」ことを最重視し、これからの時代に多くの企業が欲しがるスキルを考え、マーケターになる決断をしました。

これは私がWeb制作を始めるきっかけとなった考えでもあります。

まとめ

本著の中では、マーケティングこそがビジネスを成功させるための方法論として、マーケターだけのものではなく、ビジネスで成功したい全ての人に学んでほしいと述べられています。

これらのノウハウは、たとえあなたがマーケターという職種を目指す人でなかったとしても、戦略的考え方「大事なものを選んで集中すること」を出来る限り日常に活かすことで、ビジネスでの成功に近づけます。

私もこの本を読んで、自身のキャリアについて真剣に考えるようになり、日常においても「選択と集中」を意識することで行動指針に迷いがなくなりました。

キャリアに悩んでいる方には特に読んで欲しいおすすめの1冊です。

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