【レビュー】「DIE WITH ZERO|ゼロで死ね。」を読みました!

こんにちは、ひろです。

今回は衝撃的なタイトル「DIE WITH ZERO|ゼロで死ね。」の要約・感想について書きます。
もともと読書が苦手な私でしたが、そんな自分でも「読書っておもしろ!」と思えるようになった一冊です。

今、お金を稼ぐことだけに必死になっていませんか?

はっとした方は、ぜひ本著を読んでみて欲しいです。

この本のまえがきでは、イソップ寓話のアリとキリギリスを挙げています。
夏のあいだ、勤勉なアリはせっせと働き、キリギリスは自由に遊んで暮らしたため、冬になるとキリギリスには悲惨な現実が待っていたというお話です。

この寓話の教訓は、人生には働くべき時と遊ぶべき時があるというものです。至極もっともです。
ただ、一つの疑問が生じます。
アリは ”いつ” 遊ぶことが出来るのか?

これが、この本のテーマになります。

この記事では、稼ぐことも大事だが、今を大切にすべきという著者の想いについて、私なりの感想を交えて書いていきます。

目次

なぜこの本を読んだのか

タイトル ”ゼロで死ね” に率直にどんな内容だろうと惹かれました。
さらに表紙を開くと、「人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。」という一言。

この本を最初に手に取ったのは、前職(製薬会社)において、社員一律でボーナスが下がり、自身の今後について真剣に考え始めた頃でした。稼ぐことはもちろん大事ですが、人生においてもっと大事なことを知りたいという思いがありました。

著者

ビル・パーキンス(Bill Perkins)

1969年、アメリカテキサス州ヒューストン生まれ。アメリカ領ヴァージン諸島を拠点とするコンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEO。アイオワ大学を卒業後、ウォールストリートで働いたのち、エネルギー分野のトレーダーとして成功を収める。現在は、1億2000万ドル超の資産を抱えるヘッジファンドのマネージャーでありながら、ハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレーヤーなど、さまざまな分野に活躍の場を広げている。本書が初めての著書となる。

この本を読んで面白いと思った3つのこと。

1.「今しかできないこと」に投資する

これこそが、本著で伝えたいことの核だと著者も言います。

90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢かもしれない。過去に戻って時間を取り戻すこともできない。

ふだん私たちは、まるで世界が永遠に続くかのような感覚で生きています。
しかし、金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだと著者はいいます。

大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しみなく金を使うこと。

金の価値は加齢とともに低下する

 年を取れば、健康は低下し、物事への興味も薄れていく。性欲も減退するし、創造性も低下していく。かなりの高齢になり、衰弱してしまうと、できる活動は限られてくる。
 そうなったら、もう金は役に立たない。ベッドに寝転んでテレビのクイズ番組を見ることぐらいしか、特にしたいこともなくなるだろう。

金から価値を引き出す能力は、年齢とともに低下していくのだ。と。

ただしこれは、生まれた瞬間から始まるのではなく、赤ん坊、20代、老人という3点を横軸(年齢)として、金で買える人生経験を楽しめる能力を縦軸にグラフで表せば、真ん中が膨れ上がったベル型の曲線が描かれることになります。

そう考えると、能力が高いときに沢山の金を使うことは理にかなっています。

これだけ聞くと、若いうちに浪費しろと言っているようにも取れますが、著者は「ポジティブな経験に金を使え」と言っています。抽象的でわかりづらいですが、例えば毎日スタバでコーヒーを飲む習慣がある方は、その習慣を辞めれば、その金で数か月に1回の旅行の飛行機代は手に入るから、そういった経験に使う方が良い。と言います。

経験から価値を引き出しやすい年代に、貯蓄を抑えて金を多めに使う。この原則に基づいて、支出と貯蓄のバランスを人生全体の視点で調整していくべきである。

2.やりたいことの「賞味期限」を意識する

 物事は永遠に続かず、いつかは色褪せ、消え去っていく。それを理解することで人は、目の前にあるものにもっと感謝できるようになる。

死は、どう生きるべきかという問題に重要な示唆を与えてくれる、と著者は言います。

また、私たちは皆、人生のある段階から次の段階へと常に前進し続けます。ある段階が終わることで死を迎え、次の段階に移ります。
さらに、それぞれの生を豊かにしようとするときに問題になるのは、後戻りが出来ないという問題だけでなく、それがいつ終わるのか、とても曖昧ということにもあります。

本著では例として以下のような事柄が挙げられています。

  • 幼なじみの友人と最後に外で遊びまわったのはいつだろう?
  • 学生時代の恩師が他界する前に、最後に言葉を交わしたのは?

この人と会えるのは今日で最後なんて中々思えない・・

実際のところ、私たちが思っている以上に先伸ばしにできない経験は多い。と著者は言います。

この解決策として、人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まるとのことです。

旅行がいい例ですよね。滞在期間が1週間だとしたら、最終日までにできるだけ多くの観光名所を訪れたたいし、色んなアクティビティにも参加してたくなると思います。

誰かと会うにしても同様だと思います。その人と会えるのは今日で最後なんて中々思えないかもしれませんが、
会えるのが当たり前でないという意識で一緒に時間を過ごせたら、その人との時間ももっと有意義なものになる気がします。

今後30年間で何がしたいかを考え、年齢や体力面の問題が制約にならないうちに早めに計画を立て、やりたいことを実現させていこう。

3.ゼロで死ぬ

どれだけ働いて金を稼いでも、まだ稼ぎ足りないと感じる人は多い。資産が増えるにつれてゴールポストも動き続ける。それは収入の量とは関係ない。
真実は1つだ。
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。

エンジニア出身であることから、著者はとにかく効率が好きで、無駄が嫌いとのこと。そのため、人生のエネルギーを無駄にすることほど、もったいないことはないと言います。

そう言うと決まって、「でも、仕事が好きだから」と返してくる人がいます。

だが、そんな風に仕事に情熱を捧げる人であっても「ゼロで死ぬ」を目指すべきであることに変わりはない。
なぜか。それは著者が、仕事を喜びの源泉だと見なしている人であっても、仕事とは無関係の経験にある程度の時間を費やすべきだと考えるためです。

ここは、はやり本著で著者が一貫して伝えている、経験に金を使うべきだという考えになります。

誤解してほしくないのが、著者は将来のために貯金すべきではないと言っているわけではなく、
必要以上に貯め込むことや、金を使うタイミングが遅すぎるのが問題だと言っています。

老後のための貯金は大事だけど、今を楽しむことも大事ですよね。

まとめ

加齢とともに、好きな活動から得られる楽しみは減っていくから、そうなる前に好きな経験にお金を使うべきだという考えは面白かったです(年齢とともに、それを実行する体力や意欲は薄れていく)。

「人生は経験の総計だから、人生で一番しなければならないのは思い出作り
わかっていながらも、日々の仕事や生活に忙殺されて出来ていない方が多いと思います。私も「若い時の苦労を買ってでもせよ」という言葉もあるように、今こそ頑張り時とも考えていました。

ただ、この本を読んで、身近な友人や家族、恋人と過ごす時間の大切さを改めて痛感し、これからは稼ぐことはもちろんですが、思い出をつくることにも焦点を当ててお金を使っていきます。

今後の人生について考えさせられる、素敵な本でした。

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